A STORY BY FUYUNO YUI

常夜灯の
おかえりご飯

〜解雇オッサンの夜食に、訳ありお姉さん達が毎晩沼る件〜

ここのごはんは、
頑張らなくていい味がする。

ジャンル
現代ドラマ × 飯テロ・癒し

あらすじ

時代遅れのオッサンは、もう要らない

長年勤めた倉庫を、たった一言で切られた柏木周、四十二歳。再就職の当てもない、人生どん底のその日。周はようやく、恩人だった吉永登美お婆ちゃんの遺品箱を開けた。

手紙には、こう書かれていた。『もう、完璧じゃなくていい。傷ついた女の子たちの夜を照らす、ただの“ご飯が上手なおじさん”になりなさい』。涙を拭って覚悟を決めた周は、登美が遺した大正モダンの古い洋館──女性専用シェアハウス『常夜灯』の、埃をかぶった固定電話の線を、自分の手でカチャリと挿し直す。

集まってくるのは、それぞれの理由で疲れ切った女性ばかり。玄関で行き倒れるバリキャリ、給湯室で泣く新人、将来の見えない女子大生、締切に殺されかけの漫画家──。最初は警戒していた彼女たちも、初日のたった一皿で胃袋を撃ち抜かれ、大型犬・小麦のヘソ天に毒気を抜かれ、気づけば毎晩、リビングに“帰ってくる”ようになる。

腹が減っていれば、飯を作る。壊れていれば、直す。眠れない夜は、ただ話を聞く。それだけ。なのにその夜食は、どうしてか涙が出るほど優しい。そして時々、“ただの管理人”では説明のつかない片鱗が、ゴミ出しと同じテンションでポロッと漏れる。

「人違いですよ。僕はただの管理人です」

ここは、頑張らなくていい味がする場所。「ただいま」と言える、女性たちの秘密のシェルター。今夜も、常夜灯に灯りがともる。

CONTENTS

目次

第1章常夜灯の管理人さん

  1. 第1話おかえりなさい、ご飯にしましょうか読む
  2. 第2話深夜のごはんと、夜明けの商店街読む
  3. 第3話変なの、この家読む
  4. 第4話ここの、ちいさなルール読む
  5. 第5話人違いですよ読む

第2章燃え尽きたひとの、金曜のおでん

  1. 第6話金曜日の、おでん読む
  2. 第7話芯まで、染みてます読む
  3. 第8話名前の出ない仕事読む
  4. 第9話小麦、ダイエット大作戦読む
  5. 第10話帰ってきたく、なりますね読む

第3章お疲れ様です、新人さん

  1. 第11話トイレで泣く、新人さん読む
  2. 第12話涙の味の、オムライス読む
  3. 第13話声だけが、全部になる読む
  4. 第14話電話が、取れました読む
  5. 第15話七夕の、短冊読む

第4章おじさんと、夜のトースト

  1. 第16話夏の夜の、はちみつトースト読む
  2. 第17話べつに、頑張ってなんかない読む
  3. 第18話何者にも、なれない読む
  4. 第19話慰めなら、別の言い方を読む
  5. 第20話これを、見てくれる人読む

第5章締切の野生動物

  1. 第21話餓死寸前の、メンチカツサンド読む
  2. 第22話描きながらで、いいですからね読む
  3. 第23話名前じゃなく、中身を読む
  4. 第24話頑張れって、言わないんですね読む
  5. 第25話似ているだけでは、盗作になりません読む

第6章過去を持つ人

  1. 第26話お母さんの、白いお粥読む
  2. 第27話帰る場所の、ある人ない人読む
  3. 第28話誰もいない、リビング読む
  4. 第29話賄い係だっただけ、ですよ読む
  5. 第30話今夜は、すき焼きにしましょうか読む

第7章火花の季節

  1. 第31話私だけじゃ、なかった読む
  2. 第32話ぱちぱち、と可愛い火花読む
  3. 第33話誰かの誕生日ばかり、祝う人読む
  4. 第34話ケーキ、三回練習したんです読む
  5. 第35話人を祝うのは、得意なんですけどね読む

第8章聖域を脅かすもの

  1. 第36話迎えに来た、過去読む
  2. 第37話あなたのため、という呪い読む
  3. 第38話ここは、彼女の家です読む
  4. 第39話さっきの、あの人は誰読む
  5. 第40話守る人を、守るのは読む

第9章管理人さんの、いちばん長い夜

  1. 第41話人を幸せにする仕事に、疲れて読む
  2. 第42話情けなくなんか、ないです読む
  3. 第43話今夜は、私たちに甘えてください読む
  4. 第44話全部、知られてしまった読む
  5. 第45話あなたが、ここにいる理由読む

第10章ここは、おかえりが言える場所

  1. 第46話それぞれの、一歩読む
  2. 第47話累さんの、新連載読む
  3. 第48話お花見弁当だ、本物の読む
  4. 第49話春の、食卓読む
  5. 第50話おかえりなさい読む